私の旅のモットーは自由であること。なのに今回の旅はGW特有の混雑やせっかちな自分によって、ただただ疲れるものになってしまいました。ダメ旅ですねぇ。
☆しょっぱなですが今回の旅の予定と結果☆
・函館を中心に7店舗の100年食堂に行く ⇒ 6店舗で中止
・日程は2泊か3泊 ⇒ 疲れて1泊で帰って来た
旭川を早朝3時に出発。途中まで国道12号線を走る。
上画像はご存じ日本最長の直線道路の滝川の起点。この直線、29.2kmあります。
この後すぐに道央道にのって札幌⇒中山峠経由で函館方面へ向かいます。
まずは北海道最古(と思われる)飲食店!七飯町の「湖月」さんです。
開店時間はAM10時。計算通り10分前にお店に到着しました。
創業は1872年(明治5年)! 廃藩置県が明治4年ですからねぇ。凄いです。
ご主人に色々とお話を伺う事が出来ました。ご主人は現在84歳で、3代目。昔は北海道新聞社のカメラマンをしていたそうで、当初はしぶしぶ跡を継いだそうです。初代の頃は超立派な割烹旅館で、明治天皇もいらっしゃる程の格式だったそう。
こちらで提供される「鯉のあらい」はその時一緒に訪れた天皇の料理番に調理法を教わり、その後名物にしたそうです。
店内の調度品は当時の物が多数で、ちょっとした博物館のよう。
3人のお子さんがいらっしゃるそうですが、それぞれ別の道を歩まれていると。
ただ、誰かはこの店を継いでくれそうなので、ここ1~2年の内に店舗を新築する予定だそうです。
湖月さんは「鯉のあらい」の他、「うなぎ」も専門としております。しかし、ここは王道の「鯉のあらい定食(1,500円)を注文。 実は私、鯉を食べた事が一度も無く、しかも子供の頃に鯉を飼っていたので、鯉を食べる対象にはし辛かったです。こんな事がなければ一生食べる事は無かったでしょう。
頂いた感想としては、泥臭さは全く無く、意外にも普通の白身魚の刺身だなって感じで美味しかったです。ご主人の説明では「ウチの鯉は自分で養殖していて、生まれた時から綺麗な環境で育て、冬眠もさせないから泥臭さは全く無く、身が柔らかいんだ」との事。何だかよく研究をされているようでした。
鯉はさばいたばかりの物を提供してくれました。本体を見るかい?とお頭を見せて貰いました(上画像)。ショックな人もいるかも知れないので画像は小さ目で。
帰りにはお土産まで頂きました。ありがとうございます^^/
厚沢部の前井食堂さんに行く途中に「北斗市きじひき高原キャンプ場」に寄ってみました。噂通りの凄い景色。この日は霞がかかっていてぼんやりとですが函館山がずっと向こうに見えました。函館の裏夜景と言われているらしいです。
本日の宿泊地の候補に入れます。
はい、続いては創業1897年(明治30年)、厚沢部の前井食堂さんです。
今迄訪れた殆んどの100年食堂の看板や暖簾に創業年が書かれております。
前井食堂さんと言えば「黄色いカレー(570円)」。カレー粉と小麦粉をバターで炒めた特製のルウを牛乳で煮込んで作っているそうです。美味しかったです。
町の食堂という雰囲気で、年齢性別問わず色々な方が食事をされていました。
(左)画像
前井食堂さんのカレーがレトルトに
なっています。
お求めはお店か道の駅あっさぶで。
PM1:30 厚沢部町が運営する「レクの森キャンプ場」に来てみました。厚沢部には他に設備の充実した「鶉(うずら)ダムオートキャンプ場」もありますが、私は樹が茂り人気(ひとけ)の少ないこちらのキャンプ場が好き・・。
鯉のあらい定食とカレーライスでお腹一杯だったので、もうここで宿泊しようかと思ったのです。バンガローがあったので、多少お金を払ってもいいやと思って管理人さんに尋ねると「前日までの予約が必要」との事。
確かに料金表に予約が必要と書かれているが・・なぜなんでしょうねぇ?
フリーサイトは無料。空いている所にテントを張っていいよという事だったので、場所を物色していると、おびただしい数の小バエが襲って来た。凄いのなんのって。旭川ではまだ余り昆虫を見掛けないが、こちらは暖かいだけある。
夜が心配だ。とりあえず近くのコンビニに蚊取り線香を買いに行く!
コンビニで蚊取り線香を買ってロードスターに乗り込むと、ふと胃袋の変化に気付いた。「まだいけるよ」胃袋がそう言っている。
よーし、じゃぁ函館に行きますか!。厚沢部キャンプは中止。一路函館へ。
PM3:15 「阿佐利本店」さんに到着。中途半端な時間だが、人気店なのでこの時間帯で無ければ一人での入店が難しい。(事前に電話で確認をしました)
1901年(明治34年)開業のこちらのお店、建物は函館大火1934年(昭和9年)の後に建てられたそうです。函館の観光名所の二十間道路はこういった大火の移り火防止の為に作られたんですね。
80年以上も経った木造の建物。狭く入り組んだ廊下の板ひと踏みひと踏みからも重厚な歴史を感じられます。まるで千と千尋の神隠しの「油屋」に入ったような感じになりました。
食事を頂く場所は全て個室となっております。随分沢山の部屋がありましたね。
注文したものは「すき焼き(松)特選上級和牛ロース 3,900円)
すき焼きは画像の段階まで女将が用意してくれます。少し雑談をしたのですが、ただ今3代目から4代目に引き継いでいる所だそうです。
肝心のお味は・・・黒毛和牛A5ランクの肉が美味しくない訳ないです。お肉は5枚ほどだったのでそれほど胃袋に負担が掛かりませんでした。
PM4:20 すき焼きが思いのほか重く無かったので、勢いに乗って本日4店舗目の「五島軒」さんに来てみました。どうも空席があるようです。今、この時を逃したら明日GW(日曜日)はきっと簡単に入店出来ないと踏んで入店。
カジュアルな洋食屋さんですが歴史は凄い。1879年(明治12年)創業。北海道で4番目に古い飲食店です。
入店してみたものの、胃袋と相談して「海の幸カレー(1,728円)」を注文。
もう食べられる量はこれが限界。予想以上に海鮮ものがルウに入っていたので食べるのに苦労した。
余りにお腹一杯になったので、サラダは半分残し、食後のコーヒーまでも断ってしまった^^; お味は当然美味しかったです。
PM5:50 恵山海浜公園キャンプ場に到着
本日のキャンプ場選定には結構悩んだ。五島軒さんでの食事を終え、車の中でキャンプ場のガイドブックを眺め、考えた。
近くの高規格キャンプ場はたった一人にしてはちょいと高いし(5,000円とか)気分が乗らないなぁ。
北斗市きじひき高原キャンプ場(函館の裏夜景が見える)は・・距離が25キロ位なんだけどオートサイトが無いし、高原の坂を登るのが面倒だなあ。今回はパス。
湯の沢水辺公園(無料のオートキャンプ場)は・・距離は25キロ位でオートキャンプ場だしいいんだけど、無料と言うのが気になる。無料はとかくキャンプ場の治安が乱れがち(キャンパーが夜通しドンチャン騒ぎをしてうるさいとか、それが原因でイザコザが起きるとか)。多分大丈夫だとは思うけどさー。
恵山海浜公園キャンプ場は・・そうだ、ここがあったか。随分前からいつか利用しようと思っていたんだ。距離は40キロ以上あるけど腹ごなしに海岸線を走るか。
恵山海浜公園キャンプ場は「道の駅なとわえさん」に隣接しており、すぐそこが海岸というステキなキャンプ場。(いきなり深いので夏場でも遊泳禁止ですけどね)
トイレは勿論シャワー室もあり道路を挟んでローソンという立地も素晴らしい。
今回のテントは設営しやすいMSRのスキニ―ワンにした。ポール2本をスリーブに通して10ヶ所ペグダウンすればOKのテント。マット敷いてシュラフと枕を置けば寝室のセッティング終了。
セルフタイマーで自画撮り。お腹が一杯でビールすら飲めない。。
しばし海を眺める・・
(この画像、カメラで調節しており、実際はもっと暗いです)
上画像) PM11時頃のキャンプ場の様子。道の駅の屋上からの撮影。
※実際の風景はほとんど真っ暗です。
私の他に数組のキャンパーさんがおりました。
ライダー(ソロキャンパー)もちらほら。
このスキニ―ワンは上画像の部分のフライが内側に付いており、内側からその開閉が出来、寝っ転がりながら星空を見たり出来る。閉めたい時も寝ながらでOK。
何年か前の正月、夜中に映画「ねじ式=浅野忠信主演」をたまたま見掛けて、「何て不思議な映画なんだろう」と首を捻った。その時はそれで終わったが、最近思い出し、アマゾンで何冊か「つげ義春」の旅行記やマンガを買ってみたところ、数ページ読んだところで「つげワールド」に一気に引き込まれた。
劣等感や汚い部分や欲望や本来隠したい自分や家族についての苦悩などを割とアッサリと書いている。夢の中の様な理解出来ない不思議な作品も多い。
短編が多いので旅にもってこいです。
AM4:15 目が覚める。道の駅の駐車場は車中泊の車で一杯。
早速片付けして函館に向け出発だ。函館は温泉の街。
早朝から沢山の温泉銭湯が営業している。
そうそう、函館の住宅街にこんな看板がありました。「エゾヒキガエルに注意!」何でしょうかと調べてみましたら、函館ロータリークラブの活動の一環らしいですね。「函館ロータリークラブ ヒキガエル保護活動」
AM5:30 函館の東側の山裾、函館市谷地頭(やちがしら)町に谷地頭温泉があります。ここは1882年(明治15年)に実業家、勝田銀蔵によって開業されました。
2013年までは市営でしたが、その後民営になっています。入り口上の文字看板「市営谷地頭温泉」の文字から「市営」だけ外され、痕跡が残っています。
こちらはAM6:00開業なのですが、15分前位からご近所のお年寄りや観光客が入り口に集まり始め、AM6:00には100台ほど入る駐車場がほぼ満車になりました。凄い人気です。家の近所に掛け流し温泉銭湯があるなんて羨ましい限り。
面白い事に浴場は2Fです。階段やエレベーターを使って上がります。2Fには他にも上画像の様な景観が楽しめる休憩所もあります。1Fは食事処等があります。
お湯は毎分300リットル湧出するナトリウム・塩化物泉で、源泉は60℃を超えております。また湯船では湯の色が茶褐色になります。全浴槽掛け流しです。
大き目の2つの内湯や露天風呂、サウナもあり、多少人で賑わっても割とゆったりと過ごせます。
これで入浴料が大人420円というのですから、最高ですね。
(ソープ類は付属していないので持参要です)
風呂から上がったのがAM6:30、次に行く100年食堂の開店がAM11:00、4時間半か~。つい先ほどまでは函館市内の温泉銭湯のハシゴをやってやろうかと思っていたんだけど、疲れて次の食事&運転に影響が出てもいけない。
函館市内を気の向くまま走り回ったり、買い物したり、適当に時間をつぶした。
ということでようやくAM11:00「丸南本店」さんのオープン時間になりました。
こちらは開業1891年(明治24年)。蕎麦店としては北海道で3番目の古さですが、一番古い蕎麦店とされる釧路の竹老園東家のHPでは当時の竹老園東家の方が丸南本店に奉公に行く等と記されており、このHPだけでは内容がよく読みとれないのだが、つまり函館の丸南本店さんと竹老園東家さんは全くの赤の他人ではなさそうです。
店内に掲げられていた丸南本店 昭和10年頃の店内の様子。女性は綺麗に髪を結い、男性も洒落た格好をしていますね。金持ちの旦那(パトロン)が芸者さんにご馳走している風にも見えますねぇ。面白い写真ですね~。
ざるせいろ(720円)を注文。蕎麦は二八蕎麦と思われる。細くしかも均一に切ってある為、喉越しが大変良い。
私が今迄頂いた蕎麦の中ではトップクラスの喉越しだ。鰹出汁も上品に出ており、半分位食べた所でタマゴを入れて頂くと味替わりで楽しい。
お酒を飲みながら蕎麦を食べる、みたいなメニューもあって、近所だったらしょっちゅう行くんだろうなあ。美味しかったです。
さあ、4時間待った蕎麦を食べ終えた後は函館を発ち、一気に110キロ先の長万部「かにめし本舗かなや」さんに来ました。途中、函館の出口などで渋滞に見舞われましたが、2時間半かけて何とか到着。
1914年開業のかなやさん、全国的に有名になったのは言わずと知れた「駅弁のかにめし」であり、こちらでは店内での飲食では無く「かにめし弁当(1,080円」を迷わず購入。(こちらには昨年も一度来た事があります)
さて、先程買ったかに飯弁当をどこで食べるか。海を見ながらでしょう。
静狩国道横の海岸で海を見ながらパクつきました。
あいにく海はぼやけたグレーでした。
何?中身が見たい?。どーぞ。カニは細切りの筍と一緒に味付けされています。カニの上には椎茸、錦糸卵、梅干し。オカズスペースには漬物・みかんの缶詰・佃煮が並んでいます。冷えてても美味しい。
かにめしの商標は元はかなやさんが持っていたが、商標開放した為、長万部にはいくつものかにめし屋さんが存在する。これがかにめしが全国区になった大きな理由の一つだろう。
昨日今日で6店舗目。思ったよりいい感じで食べまくっています。次はニセコの蕎麦店「かねまたみまた」さんか・・。
ここで色々悩む。
⇒食べまくるのに疲れた。温泉をハシゴするより疲れる。時間の制約もあるし。
⇒今日のキャンプ場は直火で焚き火が出来るニセコサヒナキャンプ場がイイ。
⇒しかしGWだから人気のサヒナキャンプ場のオートサイトは一杯だろう。
⇒明日から天候が崩れる。特に風が強いようだ。
⇒だから帰る事にする。
という事で一気に280キロ先の旭川自宅まで帰ります!
230号線上の中山峠。今迄に見た事が無い位のすっごい賑わい。何か買い食いしようと思ったら長蛇の列だったので諦めました。
画像のずっと奥に羊蹄山がうっすらと見えます。今回の旅はどこに行っても景色から霞がとれなかったなあ。
で、札幌から高速に乗ろうと思ったんだけど、寄ってみたいお店「しいたけ飯店」さん(浦臼)があったので275号線で帰ってきました。
つまり本日は 恵山⇒函館⇒札幌⇒旭川 と全て一般道を走った訳です。
私は街並みや景色などを見てアレコレ考えながら走るのが好きですが、渋滞もあったりしてさすがに疲れました。
=今回のまとめ=
100年食堂(湖月・前川食堂・阿佐利・五島軒・丸南・かなや 6店舗)
温泉(谷地頭温泉のみ)
今回はちょっとハードに動き過ぎた・・。これからはもうチョイゆったりと。
北海道100年食堂、制覇まであと10店舗。 ではまた・・^^/
■花月会館(レストランかぶと)
買い物ついでに妻と100年食堂でもある「花月会館(かぶと)」に行ってきました。画像は「かぶと定食(1,728円)
妻は寿司と蕎麦のセットものでした。
和洋中一通り美味しいものを出してくれる気軽なレストランです。
私が高校生の頃、花月会館でアルバイトをしていた事があります。
たくぎんビルの地下、ロイヤル花月というレストランです。懐かしいな。